みなさん、こんにちは!愛犬は元気にしていますか?
ところで、皆さんの愛犬はチョット目を離したスキに豚の生肉を食べてしまったというようなことはありませんか?
豚肉は、栄養がタップリと入ったいますので、犬には積極的に与えたい食材なのですが、注意したい点が2つあります。
一つ目は、生で食べると病原性の細菌が付着していたり、E型肝炎ウイルスやトキソプラズマなどの寄生虫に感染していたりと色々とリスクがあります。
二つ目は、アレルギーになることが牛肉、鶏肉よりも多いことです。
今回は、注意すべき点の一つ目である「犬が豚肉を生で食べて下痢をしたら/寄生虫への感染に注意が必要」をご案内します。
犬が豚肉を生で食べてしまったら
豚肉は栄養価も高く、元々肉食の犬にとっても喜んで食べてくれる食材です。
しかし、注意したい事は、豚肉には大腸菌やサルモネラなどの病原性の細菌や、E型肝炎ウイルス、トキソプラズマなどの寄生虫に感染していていることがあり、これらを死滅させるためにしっかりと加熱しなければいけません。
このため、台所でチョット目を離したスキに、「あっ、無い!」と愛犬が食べてしまうと、飼い主さんとしては「変な病気にかかってしまうのでは?」と心配してしまいますね。
こんな時はどうすればいいのでしょうか?
けれども、そんなに心配する必要はありません。
現在、スーパーなどで販売されている豚肉は、と畜場法・食品衛生法・飼料安全法などの規制により、と畜場で処理される際に、検査員である獣医さんの検査合格をしたものでなければ流通してはいけないこととなっています。
このため、細菌、ウイルス、寄生虫、微生物などが多く発生している検査不合格になった豚肉は、スーパーなどでは販売できないことになっていますので、取り敢えずは安心してください。
しかし、豚肉は生で食べてもいいのかというと、そうではありません。
と畜場での検査は合格した豚肉であっても完全に無菌状態にすることは不可能であるため、流通段階で豚肉に細菌などが増殖していきますので、人が食べるものと同じように、豚肉は完全に加熱処理したものを愛犬にも与えてください。
犬が豚肉の生を食べて下痢をしたら
次に、愛犬が豚肉を食べて下痢をしてしまったら、直ぐに獣医さんに診てもらった方がいいのでしょうか?
これについては、下痢をしていても、元気そうにしているのであれば、特に心配することはありません。
ちなみに、うちの愛犬の場合は豚肉のスペアリブをエサとして与えることも最近増えましたが、少し量が増えてしまうと便が柔らかくなってしまうことがありますが、次の日のエサの量を少なくしたり、サツマイモを与えたりしてあげると治癒していきます。
しかし、元気そうにしていても下痢が3日以上続く場合や、下痢・嘔吐を繰り返してグッタリとしているような場合は、何らかの感染症などを発症していることも考えられますので獣医さんに診てもらう必要があります。
トキソプラズマってどんな症状なの?
犬が豚肉を生で食べて発症する病気で最も恐ろしいのはトキソプラズマへの感染です。
このトキソプラズマという寄生虫は豚肉の肉内に幼虫が潜り込んでいて、愛犬がその肉を食べることで体内に侵入して腸管に住みつきます。
通常多くの細菌、ウイルス、寄生虫などは、強力な犬の胃酸で死ぬことが多いのですが、このトキソプラズマは胃酸でも死ぬことはなく、感染すると強烈な腹痛が生じます。
そして、体重が減少して下痢を発症して、目の障害が生じることもあります。
しかし、繰り返しになりますが、豚肉はと畜場で処理される際に検査を受けます。そして、その検査で豚肉がトキソプラズマの陽性反応が生じる割合は0.00139%程度ですので非常に微々たるものです。
そして、その検査が何らかの事情で適正に実施できなかったとしても、その適正に検査が実施できず当該検査をすり抜けてくる確率も考慮すると、ほとんど無いと言えるのではないでしょうか。
勿論、確率が0(ゼロ)でない限り注意しなければいけませんので、皆さんも十分に注意してあげてください。
トキソプラズマって人にも感染するって本当?
最後になりますが、トキソプラズマは人にも感染します。
人への感染経路は生肉を食べたことによることが多く、愛犬が発症して飼い主さんに感染することはありません。
一時期はネコの糞から人へ感染するので注意することと言われていましたが、最近ではトキソプラズマの感染源はほとんどが人自身が生肉を食べたことによるものだと言われています。
なお、トキソプラズマが人に感染してしまった場合で、妊婦さんの妊娠初期の場合だと、胎盤を通して胎児にまで感染してしまい、流産、死産が生じたり、生まれてきた子供が先天性トキソプラズマ症になったりすることがあります。
しかし、仮に人が感染した場合でも、健康な成人であれば約8割は症状が出ず、発病しても発熱や筋肉痛など軽い症状が数週間続いて回復していき、その後は抗体が形成されて発症することはありません。
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